れみりゃ

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がいよう

種族 食性分類 生息分類 希少分類 性質 生活スタイル 思考スタイル
捕食性 飛行型 基本類 家族群・同種群 とくになし
構造 内部 触手 装飾 得意技能 固有能力
肉まん なし 淡桃のナイトキャップ 急降下 吸餡
特徴 口調 口癖 性自認 性格
裏表の無い口調 ~だどー ~どー 仲間思い 子供っぽい 天然

のうりょくち

からだ あたま かつどう せいかく みりょく しゃかい
運動力 思考力 積極性 情動性 成熟度 知名度
耐久力 理解力 慎重性 利己性 好感度 有害度
持久力 精神力 協調性 好奇心 統率力 流通価格
柔軟性 忍耐力 排他性 自尊心 求心力 飼育適性
ほしょく ひこう  
積極性 加速力
攻撃性 昇降力
索敵力 持続力
捕食量 精密性

しょうさい

[社会] のうりょくちから見るれみりゃ種

 身体:れみりゃ種は飛行型ゆっくりであるため、陸上における運動力は陸棲型よりも低い。
    翼に損傷があったり、飛行ができないれみりゃ種であれば普通のゆっくりでも殺傷は可能。
    とはいえ噛みつきを躊躇なく行う捕食種であるため、普通の人間と刃物を持った人間ぐらいの差はある。
    
 頭脳:思考能力は乏しいものの理解力は最低限あるため、経験や本能による知識の蓄積により個体差がある。
    精神力が薄弱で、ちょっとした痛みや思わぬ反撃などで泣き出してしまうことも。

 活動:行動は積極的かつ能動的で、慎重さはかけらもない。
    他者(主に同種)をあまり気にかけないためか排他性は低い。また同種で共同狩猟を行うこともあるため協調性はある程度高い。

 性格:捕食種だが感情豊か。基本的に利己的な性格であり、他者にほどこしたりはしない。
    またそこそこ好奇心が強く、そのせいで狩猟を失敗することもたまにある。

 魅力:精神的に未熟であるため成熟度は低い。また難しいことは考えないため統率力や求心力もない。
    あくまで利己に徹する性格であり、その分かりやすい行動基準にある種の好感を持たれることもある。

 社会:飛行種特有の「空中からの排泄」や、捕食種特有の「対人傷害」が起こる可能性があるため有害度が高い。
    またそれ以外にもれみりゃ種の死体や排泄物は特有の嫌な匂いになることも有害とされる一因だろう。
    個体数の増えたゆっくりを捕食してくれるという有益な部分もあるものの、総合的に見て人間社会にとっては害。
    頓着しない性格から飼育はしやすいものの、知能の低さや捕食種用の餌の値段的にも飼育適性は高くない。

 捕食:れみりゃ種にとっては食事が最も楽しみな行為であるため、極めて積極的に獲物を探そうとする。
    また獲物に対してコミュニケーションを図るようなことはせず、単純に食糧として見なすため攻撃性も高い。
    一方で食事量はそれほどでもなく、また獲物を住処に連れ帰って食糧サーバーとして扱うこともあるため積極性の割に狩猟する頻度は少ない。
    とはいえ子供などが居る場合は食事量が増すため、否が応でも狩猟頻度は上昇する。
    れみりゃ種は夜目は効くが昼間だと視力が低くなるため索敵力はD。一方で夜間だとS。

 飛行:飛行速度は遅く、れみりゃ種が気づく前に獲物に気づかれて逃げられたらなかなか追いつけない程度には遅い。
    またテクニックもそれほどでもなく、障害物にぶつかったり、方向転換などに手間取ったりする。
    しかし一方で飛行持続時間は非常に長く、丸一日飛びながら獲物を探し続けるタフさが魅力。
    加えて昇降力も優れており、地面から空中に、空中から地面に縦移動する技術は飛行種の中でも優秀。

[性質] れみりゃの思考方式

 れみりゃ種は非常に利己的な性質を持っており、常日頃から自身の利益のみを追求することを好むゆっくりだ。
 狩猟の際に獲物から命乞いをされようと、何の利益も無いことが分かってしまうと躊躇なく食い殺すのである。
 そんな性格なのにも関わらず根本的な性格は他者思いであり、自身が認めた仲間に対してはとりわけ親身に接したり、
 プレゼントを送ったり、スキンシップをとったりと自己利益よりもコミュニケーションを重視する。
 これらの「利益追求」と「協調性」はれみりゃ種の狩りにも表れており、仲間を持たない単独のれみりゃ種は利益をとことん追求した狩りを行う傾向にあり、
 仲間を持つれみりゃ種は複数のグループを形成して協力しつつ狩りを行う傾向にある。

 また、れみりゃ種は思考能力が極めて乏しく、行動の最上位に位置するのは「直感」や「情動」である。
 一般ゆっくりがこの性質を持つと、大抵の場合はよくない結果をもたらし、自身の命や周囲の仲間の命を危機に晒すことが多い。
 しかしれみりゃ種は感情で行動しても持ち前の警戒心や危機管理能力があるため大した問題は無く、
 むしろ狩猟を行う場合は下手に思考能力があると考える際に隙が生まれることから、このように自分勝手に振る舞うのが最も理に適っていると言えるだろう。
 そのため思考停止・情動による行動を一概に「馬鹿」「無能」と断じるのは間違いである。

 余計な思考をせず情動で行動するためか性格はサバサバしており、良くも悪くも1つの物事に執着しない。
 1つの物事に怒っていたら、いつの間にか次の物事に興味が移っており怒りの感情をさっぱり忘れていた、というのがれみりゃ種なのである。

[習性] れみりゃの口癖

①れみりゃ種はしばしば「うー☆」などといった素っ頓狂な鳴き声(?)を上げることがある。
 これは元々「獲物を発見した際にれみりゃであることをアピールして獲物をビビらせて戦意を削ぐ」ことを目的とした行為だと考えられている。
 しかしそれらは昔の話で、現在はそういった用途で用いられることが少なくなった。
 それも当然で、一般ゆっくりは昔に比べて徐々に身体能力が向上している傾向にあり、それまで容易に狩猟できていたのが獲物の逃げ足が早くなったため
 狩りの難度が高くなったのである。
 そのうち「発見前に獲物を脅すより奇襲を行うほうがより効率的である」ことにれみりゃ種は気付き、次第に廃れていったのだ。
 ただし現在は脅しの用途で用いられないものの、習性として根付いてしまったためか普段から口癖のように使う個体が多くなった。
 そういった個体は奇襲する際にうっかりと鳴いてしまい、自分の位置をバラしてしまうこともしばしばあるという。
 
 うってかわって、似たような目的で使われていた「たーべちゃーうぞー☆」という脅しは現在も狩猟に使われている。
 この脅しの場合は獲物発見前ではなく発見後に行うため取り逃がすリスクが少なく、戦意を削いだり相手に恐怖感を与える掛け声としては優秀であるため
 現在もしばしば用いられるのだという。

②れみりゃ種は住処のことを「こーまかん」と呼ぶことがある。
 加えて住処の中でも特にゆっくりできる住処のことを「こーまかん」と呼ぶことがあり、使い方は個体によって違う。
 こーまかんが人間の用いる言葉で何を意味するのかは不明だが「かん」は「館」を意味しているとする説が一般的である。
 また、一部共同生活コミュニティを「こーまかん」と称する場合がある。詳細は後述。

③れみりゃ種の一部は自身を「おぜうさま」「おぜう」等と自称することがある。
 おそらくは「お嬢様」という意味で、自意識の強い個体や周囲に甘やかされてきた個体ほど用いることが多い。

④れみりゃ種はしばしば「かりすま」という言葉を使って、自身の感情を表すことがある。
 これは他のゆっくりで言うところの「ゆっくりしている」に近い意味を持っているとされ、あまり深い意味はないという。
 別の意味としては、れみりゃ種が理想とした対象を「かりすま」と呼ぶことがある。

[性質] れみりゃの嗜好

①れみりゃ種は踊ることを好むとされており、暇な時間を見つけると踊ろうとする。
 踊りは個体によって変わり、大体は一般ゆっくりが行う身体をうねうねと動かす動作に飛行を組み合わせたようなものだとされる。
 ただし最近は種の個体数が増えて食料の争奪戦が激しくなり、踊っている余裕が無くなってきたのか踊る個体はあまり見られなくなった。

②一般ゆっくりは甘味を本能的に求める性質を持っているが、れみりゃ種の場合は甘味の中でも特に「プリン」に対して猛烈な憧れを抱く。
 野良や野性環境ではまず手に入れられない食品ながら「色や形を知っている者」「味を知っている者」「名前だけ知っている者」などが確認されており、
 なおかつ飼育環境でも上記のような執着を見せることから、プリンの存在は種全体に広まっている情報だと考えられる。
 おそらく、先祖のれみりゃ種がプリンを食べて多幸感を得た結果、プリンの知識が現在に至るまで「ゆっくりできる記憶」として遺伝したため、
 野良・野性環境の個体であっても存在を把握しているのだと考えられている。

[性質] れみりゃの特殊な関係

①れみりゃ種はさくや種に対して本能的な好意を持っているとされる。
 この性質はちぇん種の持つらん種への感情と似ており、さくや種側もれみりゃ種に対して好意的な感情を持つという特徴がある。
 さすがに目が合うだけで叫ぶような強烈な感情ではないが、お互いに好意を持つことからさくや種は非捕食性ながられみりゃ種の捕食対象にはならず、
 むしろ庇護や番の対象として認め、共に生活することを望みやすい。
 より親密になるとさくや種はれみりゃ種に献身的になり、れみりゃ種はさくや種に精神的に依存しやすい傾向が出てくる。

②れみりゃ種の為した子供には、一定の確率でふらん種が生まれてくることがある。
 ふらん種はれみりゃ種の様々な部分が似ている(夜行性・吸餡・表皮の性質など)ため、ある時期まではれみりゃ種の別種として認識されていたが、
 最近ではふらん種が独自に生殖して個体数を増やしたため個別の種として認識されている。
 自身との類似性に好感を持ったれみりゃ種は、家族でないふらん種に対しても妹のように扱い、ふらん種もれみりゃ種に対して概ね好意的な態度をとる。
 一方で類似性ゆえに嫌悪感を持ったれみりゃ種は、ふらん種に対して厳しく接しあまり深く関わろうとしない。
 また、ふらん種はれみりゃ種と比べて極めて凶暴で好戦的な性格をしており、一部の個体はれみりゃ種に襲い掛かってくる者も存在することから、
 個体によってはふらん種に対して畏怖の感情を抱いていることもある。

[習性] こーまたち

 一部のれみりゃ種はしばしば他種のゆっくりを自身の庇護下におき、世話や警備などを行わせることがある。
 用立てられるのは、れみりゃ種に近い存在で篤く慕ってくれるふらん種、れみりゃ種が執着する対象で世話焼きで頭の良いさくや種、
 陸上型捕食ゆっくりにも負けず劣らずの戦闘力を持つめーりん種、通常ゆっくりでれみりゃ種の捕食対象だが知力の高いぱちゅりー種、
 ぱちゅりー種の自家受精によって生み出される、ぱちゅりー種を慕い、空を飛ぶこともできるこあ種などがほとんど。
 不思議なことに、他の種がこの集団に組み込まれることは極めて少ない。
 この集団は「家族」かつ「群れ」の性質を持っており、れみりゃ種は「こーまかん」と呼称するケースが多い。
 種の多くは庇護者であるれみりゃ種に対してポジティブな感情を持っており、れみりゃ種のことを主とみなし、敬った態度で接することが多い。
 
 れみりゃ種が庇護するといっても、集団で同じ住処に居住するというわけではない。
 それも当然で、れみりゃ種は飛行型ゆっくりであるため住処は高所にある場合が多く、
 陸上型ゆっくりを住処に住まわせてしまうと、草などの食料を主であるれみりゃ種が取ってくる必要があるのだ。
 あくまでれみりゃ種の住処を中心として、その周囲に陸上型ゆっくりの住処を作ることで、擬似的な集落を形成するのが「こーまかん」なのである。
 一方で主人であるれみりゃ種に気に入られた者は住処に連れて行かれ、れみりゃ種が食料を養ってくれることもある。

 彼らは種の特徴を生かして役割分担をする。
 れみりゃ種とふらん種は食料調達や周辺偵察、さくや種は総合的な世話や話し相手、めーりん種は周辺偵察や警備、ぱちゅりー種は各種管理や相談役、
 こあ種はぱちゅりー種の手足となり雑用をこなす。
 このように合理的な生活システムを構築することで、生活レベルの向上と安定化を成し遂げているのである。

 さくや種とめーりん種とぱちゅりー種、こあ種は非捕食性ゆっくりであるにも関わらず、捕食ゆっくり達と上手く共生できている。
 さくや種はれみりゃ種が好意的に接する対象であり、またさくや種もれみりゃ種に対して好意的であるため、まず捕食される心配が無い。
 めーりん種は体内餡が辛すぎて捕食対象にならず、また頑丈な身体と運動能力に優れるためれみりゃ種からすれば敵対するメリットが薄い。
 加えてめーりん種は一般ゆっくりから排斥されており、捕食類たる彼らの庇護は願ってもないことであるため従順な態度になるのである。
 ぱちゅりー種は捕食対象ではあるものの脆弱すぎるゆえにれみりゃ種に牙を剥く可能性が低く、たとえ反抗したとしても貧弱であるため仲間にしやすい。
 ぱちゅりー種にとってしても自身の貧弱さを庇護してくれる存在はありがたいため、相互扶助を是とするのである。
 また、メンバーの中では知力がずば抜けて高いため、頭のよろしくないれみりゃ種の相談役としてはこれ以上無いほどの適役といえる。

[性質] 夜型

 れみりゃ種は日光が苦手であるため、主な活動は太陽が沈んでから行われる。

 日光が苦手な理由は2つある。
 その内のひとつは「日光が放つ紫外線はれみりゃ種の表皮や餡にとっては刺激が強すぎる」ことだ。
 言い換えれば、雑食性基本類ゆっくりの表皮が雨により組織が破壊されるのと同じように、れみりゃ種は紫外線によって組織が破壊されるのである。
 もちろん個体差はあり、大抵の個体は表皮が荒れる程度のものだが、致命的に紫外線に弱い個体は表皮が砂のように崩れたり、
 中身の餡が暴走して永続発熱・中枢餡異常・浮揚ガスの無限生成からの破裂などといった様々な異常を引き起こすという。

 もうひとつは「れみりゃ種の目は極めて鋭敏で繊細な器官であるため、日中の光量ではまともに視覚が働かない」ことだ。
 もし日中に大きく目を開けてしまうと圧倒的な光量で視覚が満足に働かなくなり、飛行中ともなればそのまま墜落する危険性も出てくる。
 無理して目を開け続けると、多量の光がれみりゃ種の網膜を焼いて失明してしまうこともあるという。
 そのため、現在のれみりゃ種の多くは常に目を細めることで、突然多量の光が入らないよう採光量を調節しているのである。
 逆に夜の活動においては光に敏感な目は役に立ち、少ない光でも生物の影を完璧に捕らえることができると言われている。
 夜になれば思い切り目を開いているれみりゃ種が多いため、強めのライトを当ててれみりゃ種を墜落させるいたずらが横行したこともある。


[習性] 空のプレデター

①れみりゃ種は捕食類の中で最も数が多いため、現在は捕食類の代表的存在として広く知られている。
 野良・野性ゆっくりの間では最上位に近い脅威として見なされており、れみりゃ種が活動する夜間には外に出ないようにするルールが徹底されている。

 淡々と狩猟を行うイメージのあるれみりゃ種だが、彼らはゆっくりの中でも警戒心が高く、少しでも異常や違和感を感じると無理に行動しようとしない。
 そのため感情の分からない者に対しては近づこうともせず、特に人間や動物に代表される底知れない存在に対しては関わることを徹底的に忌避する。
 上記の本能的性質は無意識のようなものであるが、一方で感情を見せやすい相手に対しては自分の意思で関わろうとする性質も持つ。
 それが狩りの対象であった場合、恐怖や焦燥が表れている相手ほど積極的に襲うことが分かっている。
 この「感情を察知して対象の本質を見る」というスタイルは狩りで真価を発揮しており、れみりゃ種自身の生存力を高めている重要な技術といえるだろう。

②れみりゃ種は常に笑顔を湛えており、人間が見ると持ち前の天真爛漫さも合わせて朗らかな印象を抱きやすい。
 しかし立場が立場であるため、被捕食ゆっくり達からは「張り付いた笑顔」と呼ばれており、一層れみりゃ種への恐怖感を強めている。
 本来の笑顔は獣が獲物に牙を見せる行為であり、捕食者であるれみりゃ種もそれに習っているため常に笑顔なのだ……という説があるが、
 実際は目を細めるのが癖になっているだけ、感情が顔に出やすいだけで、そのような意図があるとは考えにくい。

③れみりゃ種は飛行型ゆっくりであることを生かし、陸上型ゆっくりの上から落下しつつ襲撃するという捕食方法をとる。
 この捕食方法は別項にて後述するが、簡単に言えば「獲物の真上近くから急速に降下して、対象の頭に牙を突き立てる」というもので、
 ゆっくりは通常体勢で自身の上方向に視線を向けることが難しいことから、この捕食方法を用いれば反撃を受けずに捕食することができるという利点がある。
 これは地上での戦闘に慣れていないれみりゃ種が、地上での運動の得意なまりさ種・みょん種などを捕食するための技であり、
 れみりゃ種の落下スピードの速さもあって高い捕食成功率を誇っている。

 しかし弱点もある。
 れみりゃ種は他の飛行型ゆっくりに比べて飛行速度が遅く、滑空ではなく落下に近い捕食方法を取っているため、足の速いちぇん種などが相手だと
 落下捕食できる位置にさせてもらえないことがある。
 また、追いかけっこになった場合は体力勝負となり、運動力や体力の高い種を標的とした場合は長期戦に持ち込まれるのである。

 とはいえ、飛行であるため高低差や地面の凹凸に左右されず、追いかけることで獲物の恐怖感を煽って隙を生み出させることもできるため、
 諦めず追跡を続けていれば捕食できる可能性は高い。
 またゆっくりの持つ「ストレスを感じると甘味を増す」性質はれみりゃ種の「追跡して(ストレスを与えて)狩る」というスタイルに相性が良く、
 れみりゃ種は図らずも獲物の品質を向上させやすい性質を持っているといえるだろう。

[能力] ヴァンパイア

・れみりゃ種は「吸餡」と呼ばれる能力を持っており、噛み付いた相手の体内餡を吸い取ることができる。
 吸餡を日常的な捕食行為に用いるのは「吸餡による栄養摂取を好む個体」や「体調不良や老化などで消化能力が衰えた個体」ぐらいで、
 多くのれみりゃ種は経口捕食(まるかじり)をメインとする。
 しかし吸餡を全くしないわけではなく、状況や場合に応じて使い分けている。

・吸餡では牙の裏にある穴を使って、対象の最も外側にある餡、つまり運動餡を吸収すると言われている。
 しかし穴の直径はせいぜい0.7~1mm程度で、体内餡で最も固いと言われる運動餡をそのまま吸引するのは難しく、
 ましてや流動性の低い餡、例えばまりさ種やれいむ種などの粘性の高い餡の吸餡はまず不可能といえるだろう。
 それら諸問題を解決するのは、れみりゃ種の生成する体液の効果である。
 この体液は「ゆっくりの体内餡から栄養と水分を取り出す性質」を持っており、吸餡する際はまず始めに牙の穴からこの体液を注入することで
 固い運動餡であっても「栄養豊富な水分」と「餡の残り滓」に変え、前者のみを穴から吸い取ることで栄養を摂取しているのだ。
 そのため、吸餡されたゆっくりの死体は水分がなくなったように干からびているように見えるのである。

・ゆっくりは死ぬと悪臭を放つようになり、時間が経つにつれて徐々に悪臭の臭いが強くなる性質を持っている。
 この悪臭は今まで活動を抑えられてきた微生物が餡の栄養素を生成分解する際に発生するものであり、
 つまりは「時間が経って悪臭が強くなるほど死体から栄養が失われていく」という意味を持つ。
 捕食類からすれば「臭く栄養の無い死体を食べるくらいなら、生きたまま・死んですぐの新鮮な物が良い」だろう。
 実際に多くの陸上型捕食ゆっくりは、狩猟の際には致命傷を与えてその場で捕食するという「即殺即食スタイル」を取ることが多い。
 以上の要素をあわせて考えると、捕食ゆっくりの「即殺即食」という狩猟スタイルは己の腹を満たすには理に適った方法だと言える。

 だが「長距離の移動ができない子供」「自力で狩りをするレベルにまで成長していない子供」を持つ親捕食類はどうだろうか。
 親としては「栄養素が減少した悪臭を放つ死体」を我が子に提供したいわけもなく、出来る限り生きたままの獲物を住処まで運ぼうとする。
 しかし多くの者は、高すぎる運動能力・牙などの武器を持ってしまっているがために、峰打ちを狙ったものの獲物を殺してしまったり、
 命がけで抵抗されてやむなく殺してしまったり、峰打ちをしたものの傷が大きく運搬の途中で獲物を死なせてしまったりする事態が頻発するのである。
 そうなるとやむなく死体を子供に提供せざるを得ない状況になるのだが、幼体ゆっくりは死体を食べてしまうと様々な悪影響を受けるとされている。
 第一に、捕食類といえど幼体ゆっくりは死臭にまだ慣れていないため、食事を吐き出してしまったり、食事を忌避して餓死してしまうことがある。
 第二に、死体は微生物が多量に繁殖しているため、免疫力の低い幼体ゆっくりが食べてしまうと病気を引き起こしやすい。
 第三に、捕食個体は雑食個体と比べて必要エネルギーが多く、ましてや食事量の多い幼体ゆっくりは栄養の減った死体では十分にエネルギーを得られない。
 これらのことがあるため親としても死体ではない獲物を提供したいのだが、生きた獲物を住処に持ち帰れるほどの優秀な個体は少なく、
 悪影響を知りつつも死体で妥協する者は多い。捕食類は雑食類に比べて幼体死亡率が高いのは、このような育児事情があるためなのである。
 
 一方れみりゃ種も捕食類であるため子育てにおいては上記の問題が常に付きまとうことになるが、ここで吸餡機能が真価を発揮する。
 まず、れみりゃ種は狩猟の際に吸餡を使うことで獲物に与える致命傷を限りなく避け(殺傷して栄養を劣化させること無く)獲物を衰弱させることができる。
 さらに獲物が大きければ運搬できる程度にまで餡を吸い取って軽量化でき、加えて吸餡により水分と運動餡が少なくなり、運搬するときの抵抗力も弱くなる。
 この「相手を殺さないように手加減できる」「相手を衰弱させる」「運搬時の負担を軽くする」のは獲物を持ち帰るのに特化していると言える。

・ゆっくりは運動餡の損傷・損失だけで死ぬケースは少ないため、獲物を持ち帰った後も噛みちぎらずに吸餡で栄養摂取し続けた場合には、
 同一の個体から長期間栄養を補給する「栄養サーバー」にすることができる。
 栄養サーバーは吸餡により衰弱させ続ければ抵抗されることもなく、生きたまま質の高い栄養を提供してくれるのである。
 さらに栄養サーバー用の餌や水分を定期的に与えてメンテナンスすることで寿命を伸ばすことができるのも便利な要素だろう。
 子供がいない場合には獲物が見つからないとき用の貯蓄となり、子供がいる場合には子供に吸餡をさせることで栄養が偏ることなく平等に配分されるため、
 一般ゆっくりのように親が餌の選別をする手間が省けるのである。

・ゆっくりはストレスを感じれば感じるほど体内餡の甘味が増すという性質がある。
 この性質は内臓餡を甘味に変えて身体全体に巡らせることでストレスを緩和する意味があり、吸餡対象の運動餡の甘味をより強くしてくれる。
 すると、吸餡(ストレスを与える)すればするほど味に甘味が増していき、1体のゆっくりでもどれだけ吸餡されたかによって甘味が変わってくるのである。
 そのためれみりゃ種の中でもグルメな個体は、スルメのようにどんどん味が出てくるのを楽しむため、経口捕食ではなく吸餡でしか栄養摂取をしないという。
 子育てではこの性質のおかげで、れみりゃ種の子供は獲物をそのまま噛み砕かず味に飽きることなく吸餡し続けられるうえ、
 獲物を痛めつければ甘くなるという概念を学ぶ機会も作れるため、親としては一石二鳥なのである。
 
 以上の「吸餡機能の子育ての便利さ」が、れみりゃ種が数を増やして捕食類の代表的存在になった大きな一因であると言えるだろう。

[能力] れみりゃの飛行特性

 れみりゃ種は電信柱より高い場所をふわふわと浮かびながら、羽をぱたぱたと動かして飛ぶゆっくりである。
 その様子から羽で空を飛んでいると思われがちだが、れみりゃ種に限らず飛行型ゆっくりは体内餡から作り出した浮揚ガスを発生させて浮かんでいるだけである。
 では推進力はどうやって得ているのかと言えば、余剰の浮揚ガスを背中の羽にある複数のガス噴射口から吹き出すことで空中移動しているのである。

 れみりゃ種のガス噴射力は弱く、最大噴射をしてもゆっくりが跳ねる速度よりちょっと速いぐらいのスピードしか出ないと言われている。
 そのため、向かい風の場合はその場に止まってしまったり、横風に煽られてしまった場合はそのままどこかに飛ばされてしまうことも。
 ただ噴射力が弱い一方でガス噴射の持続力は高く、長時間全力でガスを噴射できるため移動距離は長い。
 
 ガスの噴射面ではそれぐらいしか特徴のないれみりゃ種だが、それとは別に浮揚ガスの発生とと吸収の速度が早いという特徴がある。
 簡単に言えば、非浮遊状態から浮遊状態・浮遊状態から非浮遊状態への移行が早く、なおかつ浮遊時の上昇速度が速いということである。
 この能力は主に狩りの場での急降下襲撃に用いられている。
 急降下襲撃のプロセスとしては、第一に獲物が真下に近い位置にきたことを確認すると浮力を無くし自由落下する。
 第二に重力加速で獲物と接触するギリギリまで超高速で接近すると同時にガスを再生成することし、墜落死することを避ける。
 第三にその間に攻撃を行って獲物を捕食する、というもの。
 自由落下から攻撃までの時間が極めて短く、真上に近い位置からの襲撃という回避のしづらさから狩猟では猛威を奮っており、攻撃成功率も高い。
 また、狩猟ではなく殺傷を目的とする場合は相手に噛み付いてすぐガスを再生成することにより、浮力により上空に逃げつつ対象の表皮を裂傷させることができる。
 垂直移動のプロフェッショナル、それがれみりゃ種なのである。

 ちなみにれみりゃ種に限った話ではないが、ガスを生成すると体全体が膨れてサイズが一回り二回り大きくなる。
 そのため空に浮いているれみりゃ種は顔が膨れているように見えるのである。

[習性] ツリーハウス

 れみりゃ種は飛行型ゆっくりであるため、人家が近くにある場合は屋根やベランダなどを住処とし、野性環境では太い木の枝などに住処を作る。
 また木の枝などは足場が不安定であるため、床となる土台を形成する。

 床となる土台の素材には、乾いた植物や土と粘性の高い唾液を口内で撹拌したもの(やまめ種がよく用いる建材)が使われることが多い。
 この素材を乾燥させると、接着剤である唾液から水分が失われて膠のように固まるため、高い強度・高い耐水性を持った建材となる。
 ちなみにこの方式はどんなゆっくりでも可能だが、雑食性の基本類にはほとんど知られていない。
 一方で土台を作る必要性の高い飛行型ゆっくり(れみりゃ種含む)はこの建材を作るための製法を何故か知っていることが多い。

 前述した建材を鳥の巣のようなお椀型ではなく、平べったいお皿型に形成して十分乾燥させることでれみりゃ種の住処が完成する。
 この土台はどうしても自身の体長以上の大きさになるため、木の枝に土台を作った場合は「枝の上に土の皿がバランス良く乗っている」ように見える。

 土台が皿型である理由は多々あるとされ、それなりの体長を持つゆっくりにお椀型の巣だと壊れやすい、雨が降った際に水がたまりにくい、
 排泄行為をすぐにしやすい、皿型であるため土台の土台(太い木の枝など)にそって追加拡張しやすい、などが挙げられる。
 大切なのは拡張性で、細い枝に巣を作ってしまった場合には拡張ができず、一人暮らし以上の世帯を持つことが難しいとされる。
 
 強固とはいえ土台も結局は土であり、1ヶ月もすればぼろぼろになるため定期的に補修する必要がある。
 補修を繰り返すことで、同じ土台を1年以上使うことができると言われている。

 食物ですらない植物や土を口に入れるのに抵抗があり、物理法則にも乏しい若いれみりゃ個体ほど巣を作るのに時間がかかり、脆弱な巣しか作れない。
 一方で長く生きたれみりゃ個体であればあるほど強固で拡張性が高く、住みやすい巣をすばやく作ることができるとされる。

[能力] 肉まんボディ

 れみりゃ種は水分に対して耐性を持っており、多くのゆっくりの死因である雨に強いゆっくりである。
 
 一般的なゆっくりは、表皮内部に水分が飽和してしまうと表皮組織が崩壊し、水と一緒に溶け出してしまうという大きな弱点を持っている
 それに比べてれみりゃ種の表皮は特別であり、水分が貯まったときに組織崩壊が起こらない。
 そもそも素の撥水性が高く、また水分を貯蓄するキャパシティも他のゆっくりの倍以上あるとされており、
 つまりれみりゃ種の表皮は「水分を吸収しにくく、吸収量が多く、キャパ最大まで吸収しても溶けない」という、
 雨に対して高い耐性を持っているといえる。
 れみりゃ種の表皮の性質に気がついた一部のゆっくりは「返り討ちにしたれみりゃ種の表皮を剥ぎ取り、踏んで圧縮することで防水素材にする」
 技術を生み出して日常生活に使っていることから、その高い耐水性が伺える。
 
 ただ、それでも雨の勢いが強い場合は、いくらキャパシティが多いと言っても表皮内水分が飽和してしまう。
 前述したように飽和状態でも溶けることはないが、大きく動いたりガスを生成して飛行を試みた場合は表皮が耐えられず大きく裂けて致命傷となるため、
 れみりゃ種は一切の身動きができない状況に陥ってしまう。
 加えて水分貯蓄のキャパシティが多いということは水分を出し切るまでに時間を要することでもあり、完全に乾くまでには数日かかるという。
 栄養が十分な個体であれば問題ないが、普段から栄養不足の個体が数日足止めされるのは餓死の危険性が出てくるため、
 れみりゃ種は「動かない状態で水分を早急に排出する」方法を編み出す必要が生まれた。
 そこで身につけたのは「発熱」という能力である。

 発熱は蓄えた栄養をフルに使って運動餡を高温にする能力である。
 表皮温度は最大で50℃近くまで上げることができ、発熱時には肉まんの香りと共に湯気がもくもくと立ち上がる。
 発熱すると同時に表皮にある吸水孔も最大まで開くことで更に水分発散を促し、およそ数時間で平常時の表皮に戻ることができると言われている。
 弱点としては、発熱時に湯気が立つため天敵の鳥(カラスなど)に見つかりやすいことが挙げられる。

 れみりゃ種も多くのゆっくりと同じように冬眠を行うが、一部地域の個体は冬でも活動している。
 その際に使われるのが発熱で、凍死しないよう最低限の温度調整を行っているとされる。

 余談だが豪雨が降った後に森や林を歩くと肉まんの香りが立ち込めていることがあり、それは大抵れみりゃ種の発熱能力の名残であることが多い。

[性質] カリスマ

 れみりゃ種は特有の中枢餡異常である「かりすま症」が、後天的に発生しやすいゆっくりである。
 かりすま症はれみりゃ種がよく用いる「かりすま」という言葉から名付けられた病気であり、中枢餡異常では珍しく発症者に多くの有用な効果をもたらす。
 例としては、精神面の成熟・知力の著しい向上・積極的行動の減少・自我の増加・体内餡の高効率化・体外器官の変化などが挙げられる。

 れみりゃ種のかりすま化個体の特徴は以下の通りである。
 ・精神面が大幅に成長し、大人びた言動を取るようになる。口調はどことなく厳かになり、特有の語尾もなくなり、趣味嗜好も全く別の対象へ変化する。
 ・身体能力が向上する。ただし、運動餡や内臓餡は変化していないため、能力の向上というよりは能力の操作力が向上したという方が正しい。
 ・知力が劇的に向上する。身体能力の上昇と違って、こちらは通常個体とは比べ物にならないほどの差異が生まれる。
  さらに感覚や理性も極めて強固になるため、通常個体のように直感や情動で判断せず、慎重な行動を行うようになる。
 ・プライドが極めて高くなる。ただしそれにより利己的になるわけではなく、むしろプライドの高さゆえに安易な自己利益を追求したり、
  無闇に他者を蹴落とす真似はしない。一方でナメた態度を取った者や踏み越えてはならない線を越えた者には厳しく、
  プライドが高いなりのやり方で相手を惨めに無様にしようと制裁を下すだろう。
 ・夜間での視力が強化され、弱点であった日光への耐性が増加する。そのため通常個体と違って瞼は常に大きく開いている。
  ただし、昼間よりも夜間の方が好きなのは変わらないとされる。
 ・翼が肥大化し、飛行能力がそこそこ向上する。浮揚ガス生成力、生成量、噴射力、噴射量のすべてが通常個体を上回り、それまでできなかった飛行技術を
  行うこともできるようになった。
 ・エネルギー吸収効率が上がり少食になる。また、プライドが高くなったためか汚い食べ方を好まなくなった。
  そのため見た目が美しくない経口捕食より、最低限のダメージで栄養摂取できる吸餡を用いることが多くなる。

 このように、通常個体とかりすま個体には極めて大きな差異が生まれるため、一部からは別種なのではないかという声も上がっている。
 ちなみに、かりすま化はれみりゃ種の固有病ではなく、極めて低確率ながら他の種にも発症することがある。

[社会] 胴付化率の高さ

 れみりゃ種は人工的に手を加えない自然体での胴付化率が高く、個体数でいえば上位3種、割合で言えばトップである。
 理由は判明していない。
 ただしこれらは昔の話であり、最近では徐々に胴付化率が下がってきているという。

あいしょう

 上記の項目でも記述したが、ふらん種はれみりゃ種と構造的に似た存在であり、れみりゃ種はふらん種に親近感を覚える。
 その親近感に好感を持ったれみりゃ種ならふらん種と非常に良好な関係を築きやすく、嫌悪感を持ったれみりゃ種はふらん種と敵対関係になりやすい。
 詳しくはふらん種の項を参照。
 
  • さくや→主従・信頼・親愛・依存
 さくや種とれみりゃ種は互いに本能的な好意を寄せ合う関係であり、さくや種は被捕食類ながられみりゃ種と良好な関係を築く。
 詳しくはさくや種の項を参照。
 
 めーりん種は一般ゆっくりから排斥されやすく、あまり他のゆっくりとつるまず単独で行動することが多い。
 またれみりゃ種の体内餡は非常に辛く、捕食類のれみりゃ種であっても食べられないことから捕食対象として見られていない。
 そのため、れみりゃ種は普通のゆっくりではないめーりん種に興味を持ちやすく、良好な関係を築ければ義理の家族として迎え入れることも。

 ぱちゅりー種はれみりゃ種にとって捕食対象のひとつであり、多くのぱちゅりー種はれみりゃ種から「食べやすい獲物」としてしか見られていない。
 しかし、れみりゃ種が持つ「感情を見せない者に対しては関わらないようにする」という本能から、
 弱いにも関わらず感情を見せないぱちゅりー種を見かけた場合は捕食しようとしない。
 もしもそのような個体に出くわした場合、れみりゃ種はぱちゅりー種と会話を試みようとする傾向にある。
 この会話でれみりゃ種がぱちゅりー種と仲良くなれた場合は、友好な関係を築くことが可能とされる。

  • 最終更新:2019-12-17 07:07:58

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